「もしも」のお話。
「もしも」のお話。
もしも、わたしがあのとき違うシチュエーションにいたら、
どうなっていたんだろうの話。
「図書室ってどの学校にもあるんだよな、お金かかるのに」
そう考えると、図書室が急に宝の山みたいに見えてきた。
もしそうやって学校に通ってたら、どうなってたんだろう?
会う人間も変わってたんだろうか。
もしも、あのとき何気なく通っていた場所の中に、運命の出会いがあったら?
まさかそんなこと、想像するだけ下世話だろう。
そう思いつつも、意識は昔その当時に戻っていく。
「本、好きなんですか?」
在籍していたことも知らなかったその子に、わたしは図書室で出会った。